平成25年版日本建築行政会議 車両を利用した工作物
平成25年日本建築行政会議で「車両を利用した工作物」の規定が更新されました。
下記の文章が追加されました
トレーラーハウス等が適法に移動できないものは建築物として取り扱います。
臨時運行許可(仮ナンバー)や特殊車両通行許可等を受けたことだけでは「随時かつ任意に移動できるもの」との判断はできない。
トレーラーハウスの法的解釈が明確でなかった為、この文章が平成25年に追加されました。以前からトレーラーハウスは「安い」、「簡単に設置ができる」、「確認申請がいらない」、「固定資産税がかからない」ということばかりが着目され、適法ではない設置がなされた使用例が多く見られたため、このような厳密な取り扱いになりました。
極端な設置例では、コンテナなどに簡単なタイヤを取り付けただけで、「車両を利用した工作物」だから建築確認申請がいらないなどという強引な理論で確認申請を逃れようとした例もあります。
車両とは、公道を法律通りに走行できるものであって、ブレーキや耐荷重、転倒角度等の安全基準が満たされないものは公道を走ってはいけません。
今回の更新に、特殊車両通行許可等を受けたことだけでは「随時かつ任意に移動できるもの」との判断はできない。 とありますが、正にその通りで、特殊車両通行許可とは国道事務所が出す許可であり、道路行政ではどの道を通ったら事故がなく安全に運べるか、を判断した上で許可を出す部門です。
その為、トレーラーハウスの運行には特殊車両通行許可だけではなく、公道を走行できる自動車として運輸局が認定する基準緩和認定書が必要になります。
今後は建築基準法第2条第1号で規定する「建築物」に該当しないトレーラーハウスを設置する際は、車検証もしくは基準緩和認定書と特殊車両通行許可が必要になります。
一方、建築確認申請をする「建築物」として使用する目的のトレーラーハウスの場合は、走行を目的としないことから、原則として自動車とは認められないので、基準緩和認定も特殊車両通行許可も取得できません。
このようなトレーラーハウスを運搬する場合は車輪が付いている必要がなく、運搬については、厳密には「積載」でなければなりません。
トレーラーハウスは期間限定の事務所や店舗、2世帯や3世帯住宅、家を建てるまでの仮住まいや震災時における仮設住宅としての活用等、人のためになる使用方法が多くあります。
トレーラーハウスを設置する際は、各自治体の建築行政もしくは協会までご相談ください。